2025/09/26 12:37

今回ご紹介するのは、ブリティッシュトラッドの象徴であり、トレンチコートの歴史を語る上で欠かせない名門ブランド、**アクアスキュータム(Aquascutum)**です。


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その歴史とディテール、そして古着ファンにとって重要な「タグの年代判別」について詳しく解説していきますね!



🛡️ アクアスキュータムの歴史とディテール



歴史:水の盾(Aqua Scutum)

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アクアスキュータムの歴史は、1851年にロンドンのリージェント・ストリートで仕立屋のジョン・エマリーが紳士服店を開業したことに始まります。

  1. 防水生地の発明(1853年): 創業者エマリーは、雨の多いイギリスの気候に対応するため、ウール地に防水加工を施す研究を重ね、ついに世界初の防水ウール生地を発明しました。

  2. ブランド名の由来: この画期的な防水生地から、ラテン語で「水」を意味する "Aqua" と「盾」を意味する "Scutum" を組み合わせた造語「アクアスキュータム(防水)」がブランド名となりました。

  3. トレンチコートの原点: 19世紀半ばのクリミア戦争で、この防水ウール生地のコートがイギリス軍の将校用に採用され、高い機能性で評価されます。そして第一次世界大戦で、過酷な塹壕(トレンチ)戦用に開発された軍用コート(トレンチコート)の完成にいち早く貢献したことで、**「トレンチコートの元祖」**の一つとしてその地位を確立しました。

  4. ロイヤルワラント: 1897年にエドワード7世から最初の**ロイヤルワラント(英国王室御用達)**を授与されるなど、王室や政界の大物たちに愛され続けている名門です。


代表的なディテール


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アクアスキュータムのアイコンであるトレンチコートには、軍用コートの歴史を物語る機能的なディテールが凝縮されています。

ディテール名機能と特徴Aqua 5(アクアファイブ)1959年に開発された、撥水・撥油・引き裂き強度・長綿・厳選素材の5つの特徴を持つ高機能撥水生地。ヴィンテージでは、この生地のタグが内側に付いていることが多いです。ガンパッチ右胸(利き手側)にある当て布。元来、銃を構えたときに銃床(バットプレート)を当てた際の衝撃を和らげ、滑り止めにするための補強です。エポーレット肩にあるベルト状の飾り(肩章)。元来、階級章を付けたり、双眼鏡や水筒のストラップを固定するための軍装ディテールです。Dリングウエストベルトに付いたD字型の金具。元来、手榴弾や水筒、ナイフなどを吊り下げるためのものでした。チェックの裏地ハウスチェックとして知られる、上品な色使いのチェック柄の裏地(ライニング)。クラシカルでエレガントな印象を与えます。



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🏷️ タグによる年代判別方法


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古着のアクアスキュータムの年代を見分ける上で、最も注目すべきなのは、その**「Aqua 5」タグ**の仕様です。


1. 1960年代頃のタグ


  • 特徴: 裏地や内ポケットに付く「Aqua 5」のタグに、赤い文字(赤文字)で注意書きや取り扱い方法が英語で併記されているのが大きな目印です。

  • 素材: この年代はまだコットン100%の製品が多く見られます。


2. 1970年代〜1980年代頃のタグ


  • 特徴: 「Aqua 5」のタグから、赤い文字の注意書きが消え「AQUASCUTUM」の表記が黄色になっているものが主流になります。

  • 素材: コットンとポリエステルを混紡したポリコットン生地が登場し、耐久性と速乾性が向上した製品も多くなります。


3. 1990年代以降のタグ


  • デザインがさらにシンプル化したり、ライセンス生産による**「Made in Japan」**の製品が増えてきます。

【ポイント】 古着でトレンチコートやバルマカーンコートを探す際は、裏地に付いている**「Aqua 5」タグの「色」と「記載内容」**を確認することが、おおよその年代を知る手がかりになります。ただし、国やライセンスによって例外もあるため、あくまで目安として楽しんでくださいね。





#アクアスキュータム #ヴィンテージコート#トレンチコートの歴史#ブリティッシュトラッド#古着タグ判別

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店舗情報

このブログを読んで、少しでも気になった方は、ぜひ一度、お店に遊びに来てくださいね。

皆さまのお越しを心よりお待ちしております!

[お店の名前] BANNR

[お店の住所] 📮542-0083大阪府大阪市中央区東心斎橋1丁目19−23 尾形ビル401

[営業時間]🕰️13:00〜19:00

[定休日]🛏️定休日: 火曜日、水曜日(臨時休業あり)

詳しい情報は、お店のウェブサイトでもご確認いただけます。[ウェブサイトのURL] https://shop.bannr.jp/[インスタグラムのURL] https://www.instagram.com/bannr.jp/[古着情報ブログのURL] https://shop.bannr.jp/blog/