2025/09/21 15:50
【デニム#3】知ればもっと好きになる!サンフォライズ、たたきリペア、シャンブレーを徹底解説

連載第3弾となる今回は、デニムを語る上で欠かせない、しかし意外と知らないかもしれない3つのキーワード、「サンフォライズ」「たたきリペア」「シャンブレー」に焦点を当てて深掘りしていきます。これらの知識は、あなたのデニム選びやメンテナンス、さらにはコーディネートの幅を広げてくれるはずです。
1. 生デニムの縮みを科学する「サンフォライズ」

リジッド(生)デニムを購入した際の「洗濯するとどれくらい縮むんだろう?」という不安。その悩みを解決してくれるのが「サンフォライズ」加工です。
サンフォライズとは、デニム生地の段階で特殊な加工を施し、洗濯による縮みをあらかじめ防ぐ「防縮加工」のこと。 発明者であるサンフォード・クルエット氏の名前に由来します。
仕組みは?
簡単に言うと、生地に蒸気や水分を与えながら、強制的に圧縮して織り目を詰めてしまう加工です。これにより、洗濯後の生地の縮みが大幅に軽減されます。サンフォライズ加工が施されたデニムは、一般的に縮率が1%程度に抑えられます。
サンフォライズ加工のメリット
購入時にジャストサイズを選べる: 洗濯後の大幅な縮みを考慮する必要がないため、試着したサイズ感のまま穿き続けることができます。
ジッパーフライの普及に貢献: 生地の寸法が安定しているため、縮みによるジッパーの歪みや故障のリスクが少なくなり、ジッパーフライのジーンズが広く普及するきっかけにもなりました。
一方で、あえてサンフォライズ加工を施さない「キバタ(生機)デニム」も存在します。こちらは洗濯することでデニムが大きく縮み、生地のねじれ(よじれ)が発生します。この縮みやねじれこそが、ヴィンテージデニム特有の風合いを生み出す要因であり、自分の身体に合わせてデニムを「育てる」楽しみを追求するファンから絶大な支持を得ています。
2. 愛着ある一本を蘇らせる「たたきリペア」

お気に入りのデニムを穿き込んでいると、どうしても避けられないのが生地の破れや擦り切れ。そんな時に頼りになるのが「たたきリペア」という修復方法です。
たたきリペアとは、ミシンを使って破れた箇所を細かく何度も往復して縫い、穴を塞ぐ補修技術のこと。 ダメージ部分の裏側に当て布をし、その上からミシンのステッチで生地を再構築していくイメージです。
たたきリペアの特徴
高い強度: 細かいステッチでしっかりと補強するため、リペア後の強度が高いのが特徴です。股下や膝など、負荷のかかりやすい部分の補修に適しています。
自然な仕上がり: デニムの色に近い色の糸を選び、生地の織り目に沿ってミシンをかけることで、リペア跡が目立ちにくく、自然な風合いに仕上げることができます。
DIYも可能: 家庭用ミシンでも挑戦することが可能です。当て布を用意し、破れた部分の周辺を囲うように、そして内側を埋めるように根気よくミシンをかければ、自分だけの一本にさらなる愛着が湧くことでしょう。
もちろん、プロのリペアショップに依頼すれば、より高度で美しい仕上がりが期待できます。ダメージの状態や場所によって、最適なリペア方法を提案してくれるでしょう。
3. デニムのようでデニムじゃない?軽やかな「シャンブレー」

春夏シーズンのシャツなどでよく見かける「シャンブレー」。見た目がデニムと似ているため混同されがちですが、実は全く異なる生地です。その違いを理解すると、コーディネートの幅がぐっと広がります。
シャンブレーとデニムの最大の違いは「織り方」にあります。
デニム: 綾織り(ツイル)。経糸(たていと)が緯糸(よこいと)を2本または3本飛ばして織られるため、生地の表面に斜めの「綾目(あやめ)」が現れます。これにより、生地が厚く、丈夫になります。
シャンブレー: 平織り(プレーンウィーブ)。経糸と緯糸が1本ずつ交互に織られる、最もシンプルな織り方です。
シャンブレー生地の特徴
薄手で軽い: 平織りであるため、デニムに比べて薄く、軽やかな着心地です。
上品な光沢感と霜降り調の風合い: 経糸に色糸、緯糸に白糸(またはその逆)を使って織られるため、のっぺりせず、奥行きのある「霜降り調」の見た目になります。光の当たり方によっては、玉虫色のような上品な光沢を放つことも。
色落ちが目立ちにくい: デニムのように激しい色落ちはしにくいですが、着込むほどにゆっくりと全体的に色が褪せ、独特の風合いが増していきます。
通気性が良い: 薄手で通気性に優れているため、特に春夏シーズンのシャツやワンピースなどに最適な素材です。
デニムシャツのような感覚で取り入れつつも、より軽やかでクリーンな印象を与えてくれるのがシャンブレーの魅力。ワークテイストからきれいめカジュアルまで、幅広いスタイルに着回せる万能アイテムと言えるでしょう。
いかがでしたか?今回は、デニムの縮みを制御する「サンフォライズ」、愛着を繋ぐ「たたきリペア」、そしてデニムの兄弟とも言える「シャンブレー」について解説しました。
一つ一つの言葉の背景を知ることで、お手持ちのデニムへの理解が深まり、次の一本を選ぶ際の視点も変わってくるはずです。これからも、奥深いデニムの世界を一緒に探求していきましょう!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
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